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HEADのテニスラケット選び方|6シリーズ30モデルはここが違う

HEADの硬式テニスラケットは、2026年8月時点でSpeed・Boom・Extreme・Gravity・Radical・Prestigeの6シリーズ、計30モデルが並行して展開されています。5軸スコアのどれか1軸を見ればシリーズの性格が一律に分かれる、というわけではなく、HEADは軸によって差が出るところと出ないところがはっきり分かれているのが特徴です。この記事では、当サイトが持つ30モデル分のスペックと5軸スコアを実際に全件確認したうえで、どの軸で本当に差が出ているかを整理し、6シリーズを絞り込むための入口を提供します。

結論|HEADの現行シリーズは6つ、スペックと硬さ(RA)で選べる

結論として、6シリーズは次のように分かれています。

シリーズ世代モデル数何で選ばれるか
Speed2026年6ジョコビッチのシグネチャーモデル。汎用性と打球感のバランス
Boom2026年5操作性の高さと快適な打球感。107in²の寛容なオーバーサイズも用意
Extreme2026年6当サイトのジャンル分類でスピン系。パワースコアとRA(硬さ)が主力3シリーズ中で最も高い
Gravity2025年530本中もっとも柔らかい部類のRAで、コントロールと打球感を両立
Radical2025年4マレー使用モデル。現行世代でパターンを18×20から16×19に刷新しスピン量を増加
Prestige2023年4全30本中もっともパワーを抑え、もっともコントロール・打球感が高い純コントロール系

似たようなオールラウンド系シリーズが並んでいて選びにくく感じるかもしれませんが、実際にスコアが分かれているのはスピンではなくパワー・コントロール・打球感・RA(硬さ)です。次の章で詳しく見ていきます。各シリーズの現行モデルはHEAD公式サイトでも確認できます。

シリーズはどこで違うのか|スピンではなくパワー・RA(硬さ)で見る

6シリーズの標準モデル(MP)を並べて5軸スコアを比較すると、スピンスコアだけがほとんど差を持たないことが分かります。

モデルパワースピンコントロール操作性打球感
Speed MP5576697587
Boom MP6076708283
Extreme MP7376607172
Gravity MP4970827888
Radical MP6374677579
Prestige MP4454846597

表のとおり、Speed・Boom・Extremeの標準モデル3本はスピンスコアがそろって76です。この一致は3本に限った話ではなく、この3シリーズの標準・軽量モデル計10本(Speed MP/MP L/MP UL、Boom MP/MP L/MP UL、Extreme MP/MP L/MP UL/MP XL)はすべてスピンスコアが76で完全に一致しています。HEADのスピンスコアはシリーズを見分ける材料になりません。

一方で明確に差があるのはパワー・コントロール・打球感です。特にパワーはSpeed MP(55)・Boom MP(60)・Extreme MP(73)と同じ100in²フェイスの標準モデル同士でも18ポイントの差があり、打球感もSpeed(87)・Boom(83)・Extreme(72)で15ポイントの開きがあります。この記事では、この2軸とRA(硬さ)を中心にシリーズの違いを説明します。

なお、この5軸スコアは重量・フェイスサイズ・ビーム厚・ストリングパターン・RA値などから算出したうえで手動補正を加えた相対的な指標であり、HEAD社内での位置関係を示すものです。絶対的な性能値ではなく、採点基準が異なる他ブランドのモデルとスコアを直接比較することはできません。

Speedはどんな人におすすめ?|ジョコビッチのシグネチャーモデル

Speed 2026は、当サイトのデータで「ジョコビッチのシグネチャーモデル」と位置づけているSpeed MP(100in²・300g・16×19)を中心としたシリーズです。同じ100in²フェイスの標準モデルで比べると、Speed MPの打球感スコアは87で、Boom MP(83)・Extreme MP(72)より高い数値になっています。

Speedは全6モデル(MP・MP L・MP UL・Pro・Team・Tour)を展開しています。

  • Speed MP(100in²・300g): シリーズの標準モデル。RA60・16×19パターンでオールラウンドな性格
  • Speed MP L(100in²・285g): MPより15g軽量化し、操作性スコアも88に上昇
  • Speed MP UL(100in²・265g): シリーズで最も軽く、大人用ラケットへの移行期にも向く設計
  • Speed Pro(100in²・310g): ジョコビッチが長年使用してきたフラッグシップ。18×20の密なパターンでコントロールスコアが81に上昇
  • Speed Team(105in²・270g): 105in²のオーバーサイズフェイスで操作性スコア98
  • Speed Tour(97in²・305g): Speedシリーズ史上最小の97in²フェイス

RA値(フレームの硬さ)の基本的な意味は「ラケット選びの基本」で解説しています。

Boomはどんな人におすすめ?|操作性と打球感のバランス

Boom 2026は、Auxetic 2テクノロジーによる打球感の良さと操作性の高さを両立させたシリーズです。標準モデルのBoom MP(100in²・295g・16×19)は操作性スコアが82で、同じ100in²標準モデルのSpeed MP(75)・Extreme MP(71)より高い数値です。

Boomは全5モデル(MP・MP L・MP UL・Pro・Team)を展開しています。

  • Boom MP(100in²・295g): シリーズの標準モデル
  • Boom MP L(100in²・275g): 操作性スコア98で、Gravity Team・Speed Teamと並び30本中もっとも高い数値。当サイトのデータでは「腕への負担を抑えたい人」にも位置づけ
  • Boom MP UL(100in²・255g): 30本中もっとも軽い一本
  • Boom Pro(98in²・310g): RA64とシリーズで最も硬いフレームの上級者向けフラッグシップ
  • Boom Team(107in²・260g): 30本中もっとも大きい107in²フェイス。パワースコア73・スピンスコア83はいずれも同シリーズ最高だが、コントロールスコアは56で30本中もっとも低い

Extremeはどんな人におすすめ?|当サイトのジャンル分類ではスピン系

Extreme 2026は、当サイトのジャンル分類で6モデル中4モデルが「スピン系」に分類されているシリーズです。ただし前述のとおり、スピンスコア自体はSpeed・Boomの標準モデルと同じ76で並んでおり、数値の高さでスピン系とされているわけではありません。Extreme MPは16×19のオープンなパターンでスピンを引き出しやすい設計ですが、そのスコア上の違いはパワーとRA(硬さ)に表れています。

標準モデルのExtreme MP(100in²・300g)は、パワースコアが73で同じ100in²標準モデルのSpeed MP(55)・Boom MP(60)より明確に高く、RA(硬さ)も67と30モデル中もっとも硬い数値です。その分コントロールスコアは60、打球感スコアは72と、同じ100in²標準モデルの中ではもっとも低くなっています。

Extremeは全6モデル(MP・MP L・MP UL・MP XL・Pro・Team)を展開しています。

  • Extreme MP(100in²・300g): シリーズの標準モデル。RA67は30本中最高
  • Extreme MP L(100in²・280g): 当サイトのデータでは「腕への負担を減らしながらプレーしたい人」にも位置づけ
  • Extreme MP UL(100in²・260g): シリーズで最も軽い一本
  • Extreme MP XL(100in²・300g): 2026年新登場の27.5インチ延長モデル
  • Extreme Pro(98in²・305g): シリーズ最小フェイスのツアーモデル
  • Extreme Team(105in²・265g): パワースコア74は30本中最高

スピンのかけやすさそのものの基本を知りたい場合は、「スピンを増やしたい人のラケット選び」も参考にしてください。

Gravityはどんな人におすすめ?|30本中もっとも柔らかい部類のRA

Gravity 2025は、5モデルすべてのRA(硬さ)が57〜59に収まるシリーズです。30本全体で見てもRAが59以下なのはこの5モデルとPrestige Pro(58)だけで、Gravityは当サイトのHEAD30本の中でもっとも柔らかい部類のフレームが揃っています。標準モデルのGravity MP(100in²・295g・16×20)はコントロールスコア82・打球感スコア88で、同じ100in²標準モデルのSpeed MP(87)・Boom MP(83)・Extreme MP(72)と比べても高い数値です。

Gravityは全5モデル(MP・MP L・Pro・Team・Tour)を展開しており、16×20という他シリーズとは異なるストリングパターンを採用しています(Pro・Tourのみ18×20・16×19)。

  • Gravity MP(100in²・295g): シリーズの標準モデル
  • Gravity MP L(100in²・280g): 打球感スコア96はシリーズ最高
  • Gravity Pro(100in²・315g): ズベレフが使用することで知られるフラッグシップ。20mmの薄いビームと18×20パターンでコントロールスコア91
  • Gravity Team(104in²・270g): 操作性スコア98はBoom MP L・Speed Teamと並び30本中最高。当サイトのデータでは「腕への負担を抑えたい人」にも位置づけ
  • Gravity Tour(98in²・305g): シリーズ最小の98in²フェイス

Radicalはどんな人におすすめ?|マレー使用、現行世代でパターンを刷新

Radical 2025は、当サイトのデータでアンディ・マレーが使用したことで知られるシリーズです。現行世代でストリングパターンが18×20から16×19のオープン設計に刷新され、以前の世代よりスピンをかけやすくなっています。標準モデルのRadical MP(98in²・300g)は、パワー・コントロール・スピンのバランスが取れた設計で、5軸スコアも突出した軸のない中間的な数値(パワー63・コントロール67・スピン74)です。

Radicalは全4モデル(MP・Pro・Team・Team L)を展開しています。

  • Radical MP(98in²・300g): シリーズの標準モデル
  • Radical Pro(98in²・315g): シリーズ最上位のプレーヤーズラケット
  • Radical Team(102in²・280g): 102in²の扱いやすいフェイスで操作性スコア95
  • Radical Team L(102in²・260g): シリーズで最も軽く、入門者の最初の1本にも向く設計

Prestigeはどんな人におすすめ?|全30本中もっとも純粋なコントロール系

Prestige 2023は、当サイトが扱うHEAD30本の中でもっとも極端な数値を持つシリーズです。標準モデルのPrestige MP(99in²・310g・18×19)はパワースコア44、Prestige Proに至ってはパワースコア38で30本中もっとも低い数値です。一方でコントロールスコアはPrestige Proが97で30本中もっとも高く、打球感スコアもPrestige MP・Prestige Proがともに97で30本中もっとも高い(同率)数値です。操作性スコアもPrestige Proが59で30本中もっとも低く、パワー・操作性を抑えてコントロール・打球感に極端に振ったシリーズであることが数値にはっきり表れています。

Prestigeは全4モデル(MP・MP L・Pro・Tour)を展開しており、4モデルとも100in²未満というHEAD最小クラスのフェイスサイズで統一されています。

  • Prestige MP(99in²・310g・18×19): シリーズの標準モデル
  • Prestige MP L(99in²・300g・16×19): シリーズで最も軽く、上達期の中級者にも扱いやすい設計
  • Prestige Pro(98in²・320g・18×20): 当サイトのデータではムスターやアガシが使用したことで知られる伝統的なコントロールラケットの現代版。18×20の最密パターンと20mmのボックス断面フレームでコントロールスコア97
  • Prestige Tour(95in²・315g・16×19): シリーズ最小の95in²フェイス

PrestigeとGravity、どちらもコントロール系。何が違う?

Prestige・Gravityはどちらも当サイトのジャンル分類で「コントロール系」であり、コントロールスコア・打球感スコアも近い数値です。ただしスペックには次の違いがあります。

  • フェイスサイズと重量: Prestigeは4モデルとも100in²未満(95〜99in²)・300〜320gと、HEADの中でもっともパワーを抑えた小フェイス・重量級の設計です。Gravityは98〜104in²・270〜315gとやや幅があります
  • RA(硬さ): Gravityは5モデルとも57〜59と、30本の中でもっとも柔らかい部類です。Prestigeは58〜62で、Gravityよりわずかに硬い数値です
  • ビーム厚とストリングパターン: Prestigeは20〜22mmの薄いビームで統一され、4モデルのうちMP・Proの2モデルが18×19/18×20の密なパターンです(MP L・Tourは16×19)。Gravityは20〜24mmとやや幅があり、5モデルのうち3モデルが16×20という独自のパターンを採用しています

ストリングパターンによるガット選びの違いは「ストリング選びとラケットの相性」で解説しています。

現行30本のスペック一覧

シリーズごとの全モデルのスペックをまとめました。

Speed 2026 全6モデル

モデルフェイス重量バランスパターンRA
Speed MP100in²300g320mm16×1960
Speed MP L100in²285g325mm16×1961
Speed MP UL100in²265g330mm16×1961
Speed Pro100in²310g310mm18×2061
Speed Team105in²270g325mm16×1962
Speed Tour97in²305g315mm16×1961

Boom 2026 全5モデル

モデルフェイス重量バランスパターンRA
Boom MP100in²295g315mm16×1961
Boom MP L100in²275g325mm16×1963
Boom MP UL100in²255g330mm16×1962
Boom Pro98in²310g310mm16×1964
Boom Team107in²260g340mm16×1962

Extreme 2026 全6モデル

モデルフェイス重量バランスパターンRA
Extreme MP100in²300g330mm16×1967
Extreme MP L100in²280g330mm16×1964
Extreme MP UL100in²260g345mm16×1965
Extreme MP XL100in²300g330mm16×1963
Extreme Pro98in²305g325mm16×1964
Extreme Team105in²265g340mm16×1965

Gravity 2025 全5モデル

モデルフェイス重量バランスパターンRA
Gravity MP100in²295g325mm16×2057
Gravity MP L100in²280g330mm16×2057
Gravity Pro100in²315g310mm18×2059
Gravity Team104in²270g325mm16×2057
Gravity Tour98in²305g320mm16×1959

Radical 2025 全4モデル

モデルフェイス重量バランスパターンRA
Radical MP98in²300g320mm16×1966
Radical Pro98in²315g315mm16×1965
Radical Team102in²280g320mm16×1963
Radical Team L102in²260g340mm16×1966

Prestige 2023 全4モデル

モデルフェイス重量バランスパターンRA
Prestige MP99in²310g320mm18×1962
Prestige MP L99in²300g315mm16×1961
Prestige Pro98in²320g310mm18×2058
Prestige Tour95in²315g315mm16×1962

悩み別|どのシリーズ・モデルを見ればいいか

具体的な悩みから、30本の中でまず見るべきモデルを絞り込みます。

飛ばない・パワー不足を感じる場合

パワースコアが高いのは主にオーバーサイズフェイスのモデルです。Extreme Team(パワースコア74)が30本中もっとも高く、僅差でBoom TeamExtreme MPRadical Team L(いずれも73)が続きます。標準的な100in²フェイスで探すならExtreme MPが候補です。

スピンがかからない場合

前述のとおり、Speed・Boom・Extremeの標準・軽量モデル10本はスピンスコアがすべて76で並んでおり、この3シリーズの中でスコアの差から選ぶことはできません。30本全体でもっともスピンスコアが高いのはBoom Team(83、107in²のオーバーサイズモデル)で、僅差でExtreme TeamSpeed Team(ともに81)が続きます。スピンをかけるための一般的なラケット選びの考え方は「スピンを増やしたい人のラケット選び」で解説しています。

コントロールを重視したい場合

コントロールスコアがもっとも高いのはPrestige Pro(97)で、Gravity Pro(91)が続きます。上級者未満でコントロール系を検討している場合は、Prestige Proよりやや扱いやすいPrestige MP(84)やGravity MP(82)から見るのが無理のない選び方です。

腕・肘に不安がある場合

当サイトのデータでは、Boom MP LExtreme MP LSpeed MP LGravity Teamの4モデルを「腕への負担を抑えたい人」向けに位置づけています。標準モデルの性能に近いまま軽量化したい場合はMP Lの3モデル、扱いやすさを最優先するならGravity Teamが候補です。

重くて振り切れない・スイングスピードに自信がない場合

操作性スコアが高いのはBoom MP LGravity TeamSpeed Team(いずれも98)の3モデルです。もっとも軽いモデルを求めるなら、30本中最軽量のBoom MP UL(255g)が候補になります。

まとめ|HEADのラケットはスピンではなくパワー・RA・コントロールで絞り込む

HEADの硬式テニスラケットは、2026年8月時点でSpeed・Boom・Extreme・Gravity・Radical・Prestigeの6シリーズ・計30モデルが現行展開されています。5軸スコアのスピン軸はSpeed・Boom・Extremeの主要10モデルで76に完全一致しており、この軸だけではシリーズを選べません。実際に差が出るのはパワー(Extreme Teamの74からPrestige Proの38まで36ポイントの開き)、RA・硬さ(Extreme MPの67からGravityの57まで幅がある)、コントロール(Prestige Proが最高)と打球感(Prestige MP・Prestige Proが同率で最高)です。

まずは本記事のスペックと数値でシリーズを絞り込み、絞り込んだシリーズの中からラケット診断や、スピン系コントロール系軽量・操作性の各ジャンル別ランキングで具体的なモデルを比較することをおすすめします。