用具解説

TF40 v3 全5モデルの違い

TF40は16×19の「16M」と18×20の「18M」の2パターン展開で、スピンも使いたいなら16M、コントロールを最優先するなら18Mです。この記事では、2024年発売のTF40 v3世代5モデルを中心に、前作にあたる2021年発売のTF-40世代4モデルとの違いも含めてTF40の特徴を解説します。

結論|どんなプレイヤーにおすすめか

  • コントロールを最優先したい人
  • 反発任せにせず、自分のスイングでボールをまとめたい人
  • 柔らかい打球感が好きな人
  • ボレーで暴発しにくいラケットが欲しい人
  • しっかりスイングできる中〜上級者

TF40 v3の特徴

TF40 v3の大きな特徴は、当サイトの分類でテクニファイバー唯一のボックス(角型)形状フレームです。ボックス形状は面がねじれにくく、狙った方向へボールをコントロールしやすい一方、ラウンド形状に比べるとパワーは控えめになりやすい傾向があります。TF40 v3はこの傾向がはっきり出ており、

  • 高いコントロール性能(コントロールスコア75〜87。うち18×20の2本は、テクニファイバーの大人用42モデル中でも最上位クラスで、2021年のTF-40 315 18M・305 18Mと同値です)
  • 柔らかい打球感(打球感スコア78〜82。数値が大きいほど柔らかい軸で、T-FIGHTの58〜71とは重ならない)
  • 控えめなパワー(パワースコア45〜51)
  • 試打でも、インパクト直後の初速よりバウンド後の伸びが強く、ボレーで暴発しにくいことを確認済み

を備えているのが特徴です。「反発任せにせず、自分のスイングでボールをコントロールしたい」プレーヤーに向いたカテゴリーのラケットといえます。

TF40の16Mと18Mは何が違う?パターンだけを変えた2組で確認する

TF40 v3には、同じ重量で16×19(16M)と18×20(18M)のパターンだけが違うモデルが2組あります(290 16M v3には18Mの相方がありません)。フェイスサイズ・重量・バランス・ビーム厚(21.7mm)・価格まで全項目を確認したところ完全に一致し、スペック上の違いはパターンだけでした。

モデル重量パターンコントロールパワースピン
TF40 305 16M v3305g16×19775152
TF40 305 18M v3305g18×20864535
TF40 315 16M v3315g16×19795055
TF40 315 18M v3315g18×20874538

18×20パターンにすると、コントロールが8〜9ポイント上がる代わりに、スピンは2組ともちょうど17ポイント下がり、パワーも5〜6ポイント下がります。パターン以外の条件をそろえた比較として、この2組はストリングパターンだけの効果をそのまま示しています。16×19はスピンをかけやすく、18×20は密なパターンでコントロールを最大化するという、パターンごとの一般的な性格がそのままスコアの差に表れています。

TF40 v3の290g・305g・315gは、実際に打つとどう違う?

ここからは当サイトが実際にTF40 v3の5モデル(290g・305g・315gの16×19/18×20)を打ち比べた結果を紹介します。試打者の条件は「VCORE 100とEZONE 100を打ち比べた」に記載しているものと同じです。

TF40 v3に共通する印象として、ボックス形状らしい高いコントロール性能と柔らかな打球感に加え、インパクト直後の初速よりもバウンド後のボールの伸びが強いことが印象的でした。 特にスピンサーブでは、バウンド後にボールが伸びてリターン側にプレッシャーをかけやすいと感じました。ボレーでは、面を合わせただけで大きく飛び出すことが少なく、狙ったところに収めやすいラケットです。

290g|コントロール性能を保ちながら扱いやすいモデル

290gは、TF40のコントロール性能を保ちながら、305g・315gより軽く扱いやすいのが特徴です。パワースコアは305 16M v3と同じ51ですが、体感では軽いぶん振り抜きやすく、実際に飛ばしやすいと感じました。スコア上は305 16M v3と同等でも、軽さによるスイングスピードの向上が体感の飛びにつながっていると考えられます。

「ボックス形状は好きだが重いラケットは扱いにくい」という女性プレーヤーや、パワーが落ちてきてラケットの重さが厳しくなってきたプレーヤーには、有力な選択肢です。

305g|シリーズの標準となるバランス型

305g・16×19は、TF40 v3の標準的なスペックです。打球感は柔らかく、フラット系のストロークで高い打点からボールを叩いていくプレーヤーとの相性が良いと感じました。一方、ラケットが自然にボールを持ち上げてくれるタイプではないため、スピンをかけるためのアシストを期待するとやや扱いにくく感じる可能性があります。ボレーでは自分から振らなくても飛びすぎにくく、コースを狙って丁寧に合わせるプレーとの相性が良いモデルです。

315g|自分のスイングを求められる本格派

315gは、TF40 v3の中でもっとも重量級のモデルです。十分なスイングができれば高い安定性とコントロール性能を発揮しますが、振り遅れたときや疲れてスイングスピードが落ちた場面では、軽量・高反発ラケットのようなアシストは期待できません。自分のスイングをそのままボールに伝えたいプレーヤー向けのモデルです。

290g・305g・315gの体感比較

以下は5軸スコアとは別に、実際に打った体感での相対評価です。「飛び」は前述のパワースコア(290=51、305 16M=51、305 18M=45、315 16M=50、315 18M=45)とは軸が異なり、重量の軽さによる振り抜きやすさを含めた体感の飛ばしやすさを指します。操作性・安定性の傾向は、5軸スコアの操作性・コントロールとおおむね一致しています。

モデル飛び(体感)操作性安定性求められるスイング
290g◎◎○小〜中
305g○○◎中
315g△△◎◎大

TF40 v3全体としては、ボックス形状の高いコントロール性能・柔らかい打球感・バウンド後の伸びを求めるプレーヤー、ボレーで暴発しにくいラケットが欲しいプレーヤーに向いていると感じました。一方、楽にボールを飛ばしたい、スピンを簡単にかけたい、振り遅れたときにもラケットに助けてほしいという場合は、反発性能を重視した別のラケットの方が合う可能性があります。

前作(TF-40 2021世代)からの変更点

TF40 v3は、2021年発売のTF-40からのモデルチェンジです。重量・パターンが一致する4つの組み合わせ(305g・16×19、305g・18×20、315g・16×19、315g・18×20)のうち3組は、フレームの中身がスペック・5軸スコアともに完全一致し、価格だけが27,500円から41,800円へ52%上がっています。たとえばTF-40 305 18MとTF40 305 18M v3は、価格以外のスペック・5軸スコアが完全に一致しています。315g・16×19の組み合わせ(TF-40 315 16MとTF40 315 16M v3)だけはRA値が1ポイント(64→63)、パワースコアが1ポイント(51→50)動きますが、いずれも小さな差です。

v3で新たに追加されたのがTF40 290 16M v3で、2021年のTF-40には無かった290g・16×19の軽量モデルです。

同じテクニファイバーでもT-FIGHTはこれとは事情が異なり、「300」という同じ名前でもフェイスサイズの決まり方自体が世代で変わっています。TF40のように「型落ちのほうが安いだけで中身は同じ」とは言えないため、T-FIGHTを検討する場合は世代ごとに違うモデルとして比較する必要があります。

T-FIGHTと比べてコントロール重視ならどちらが良い?

TF40と同じテクニファイバーの「T-FIGHT」も検討する場合は、打球感とパワーのスコアがまったく重ならない点を押さえておくと選びやすくなります。

打球感スコアはTF40 v3の5本が78〜82、T-FIGHT2025世代の10本が58〜71で重なりません(本記事のTF40側の数値は現行v3世代5本、T-FIGHT側は現行2025世代10本を対象としています)。数値が高いほど打球感は柔らかく、TF40 v3はもっとも硬い1本(78、TF40 290 16M v3)でも、T-FIGHT2025世代のもっとも柔らかい1本(71、T-FIGHT 305S・T-FIGHT 315S)より柔らかいという結果です。パワースコアも同様にTF40 v3が45〜51、T-FIGHT2025世代が56〜67と重なりません。

コントロールスコアは75〜79の範囲だけ重なりますが、TF40 v3の上限87にはT-FIGHT2025世代のどのモデルも届きません。方向性を最優先するならTF40、パワーや打球感の幅も含めて選びたいならT-FIGHTが候補です。TF40がボックス形状フレームである点やT-FIGHTの特徴はT-FIGHT全10モデルの違いで扱っています。

TF40は、どんな選手が使っている?

2026年9月時点で、テクニファイバー公式サイト(tecnifibre.jp)の選手ページ・各モデルの製品ページを確認したところ、TF40を使用ラケットとして掲載している選手はアルトゥール・リンダクネッチ選手1名でした。

TF40 v3 2024世代 全5モデルのスペック一覧

RAはメーカー非公表のため、第三者の計測値を参考として記載しています。

スペック比較

モデルフェイス重量バランスパターンRA(参考値)価格
TF40 290 16M v398in²290g325mm16×196538,500円
TF40 305 16M v398in²305g325mm16×196441,800円
TF40 305 18M v398in²305g325mm18×206441,800円
TF40 315 16M v398in²315g310mm16×196341,800円
TF40 315 18M v398in²315g310mm18×206441,800円

5軸スコア比較(当サイト独自算出)

数値が大きいほどその傾向が強いことを示します。「打球感」だけは他の4軸と逆で、数値が大きいほど打球感が柔らかいことを意味します(数値が小さいほど硬い打球感です)。

モデルパワースピンコントロール操作性打球感
TF40 290 16M v35155756278
TF40 305 16M v35152775281
TF40 305 18M v34535865281
TF40 315 16M v35055795182
TF40 315 18M v34538875182

よくある質問

TF40の16Mと18M、どちらを選べばいいですか?

16×19の16Mはスピンをかけやすく、18×20の18Mは密なパターンでコントロールを最大化します。パターンだけを変えた2組の比較では、18Mにするとコントロールが8〜9ポイント上がる代わりに、スピンは2組ともちょうど17ポイント下がりました。スピンを重視するなら16M、コントロールを重視するなら18Mが目安です。

TF40は新世代(v3)と旧世代(TF-40)、どちらを買うべきですか?

重量・パターンが一致する4組のうち3組は、価格以外のスペック・5軸スコアが完全に一致しています(315g・16×19の組み合わせのみRAとパワーに1ポイントの差)。純粋なコストパフォーマンスを重視するなら、14,300円(52%)安い2021年のTF-40が有力な候補です。

TF40とT-FIGHT、どちらが自分に合いますか?

打球感スコア・パワースコアはTF40とT-FIGHTで重なりがなく、コントロールスコアも75〜79の範囲以外は重なりません。方向性を最優先するならTF40、パワーの幅も含めて選びたいならT-FIGHTが候補です。T-FIGHTの詳しいモデル選びはT-FIGHT全10モデルの違いで扱っています。

TF40を使用しているプロ選手はいますか?

2026年9月時点で、テクニファイバー公式サイトの製品ページには、TF40の使用選手としてアルトゥール・リンダクネッチ選手が2021年発売のTF-40 305 18M(18×20)に掲載されています。ただし、プロが実際に使うフレームは市販モデルと塗装以外まで同一とは限らない点にはご留意ください。

まとめ|TF40は16Mと18M、パターンで選ぶ

TF40は16Mと18Mのパターン違いで、コントロールとスピンがトレードオフの関係にあり、2組ともスピンがちょうど17ポイント下がるという一貫した傾向が確認できました。実際に打ち比べても、ボックス形状らしいコントロール性能と柔らかい打球感、バウンド後のボールの伸びはスコアの傾向と矛盾せず、290gは重量の軽さゆえの体感的な振り抜きやすさが加わることも分かりました。新旧世代の価格差では、同じ重量・パターンならフレームがほぼ同一のまま価格が52%上がっており、コストを抑えたいなら2021年のTF-40も有力な候補です。同じテクニファイバーのラウンドフレームシリーズ「T-FIGHT」とは打球感・パワースコアの重なりがなく、方向性を最優先するかパワー・打球感の幅を取るかで選び分けられます。

テクニファイバーの他シリーズ(FIRE・TEMPO・TF-X1・T-FIGHT)を含む全ラインアップはテクニファイバーのテニスラケット選び方、T-FIGHT 300とT-FIGHT 300Sの違いはT-FIGHT全10モデルの違い、100in²・300g・320mmの「黄金スペック」に該当するモデルの他ブランドとの比較は黄金スペックのテニスラケット比較で扱っています。