用具解説

Prince BEAST 98とBEAST 100の違い|2026年全9モデルも比較

Prince BEAST 98(305g)と BEAST 100(300g)を打ち比べました。BEAST 98は、低い弾道で球が前に伸びていき、球の勢いを感じるラケットで、打球感はすっきりしています。BEAST 100は、ボールが引っかかって持ち上がりやすいラケットです。

BEAST 98とBEAST 100のスペックはどこが違う?

試打した2本のスペックです。値はプリンス公式サイトの商品ページ(BEAST 98 305g、BEAST 100 300g)のスペック欄に基づきます。

項目BEAST 98(305g)BEAST 100(300g)
フェイスサイズ98in²100in²
重量305g300g
バランス315mm320mm
スウィングウエイト288288
ビーム幅(ヘッド-センター-スロート)24-24-22mm24-26-23mm
ストリングパターン16×1916×19
フレームの特徴(公式)CTS形状レクサスフレーム+エアロフェイス
価格(税込)41,800円41,800円

重量が5g違うのに、スウィングウエイトは288で同じです。違いが出ているのはビーム幅で、98はセンターが24mmと、100より2mm薄くなっています。CTS形状を採用しているのは、BEAST 2026のなかで98の2モデルだけです。

2026年のBEASTは、公式が「5世代目BEASTにして初のフルモデルチェンジ」と位置づけているモデルです。98の設計について公式は、CTS形状で「スピードボールとスピンを両立」させると説明しています。

試打の条件

項目内容
テニス歴20年以上
競技レベル草トー年1〜2回出場。B級優勝経験あり。スクールは中級クラス
年齢帯・体格30代/181cm・68kg
利き手・バック右/両手打ち
プレースタイルオールラウンダー
普段のラケットPrince Tour 100(305g・2025年モデル)
普段のストリングヨネックス ポリツアープロ 1.20
普段のテンション46 / 44 lbs
今回張ったストリング2本とも BEAST XT 1.25(同じテンションで張った)

打ったのは BEAST 98(305g)と BEAST 100(300g)の2本だけです。BEAST 98の285gや、BEAST O3 100、BEAST 104 DB、Team 系は打っていないため、打球感は書いていません。

ガットを揃えたのは、ラケットの違いだけを見るためです。ただし公式がベストマッチストリングスとして挙げているガットは、98(305g)がPHANTOM SPIN、100(300g)がBEAST XTと分かれています。今回の98は、公式が組み合わせるガットで打った結果ではありません。

普段のラケットとの差は、100に有利

試打者が普段使っている Tour 100(305g)は、ビーム幅が22-23-20mm、バランスが313mmです。今回の2本をこれと比べると、100はビーム幅(24-26-23mm)もバランス(320mm)も差が大きく、普段より厚いビームでトップ寄りのラケットです。98(24-24-22mm・315mm)は、100ほど普段のラケットから離れていません。

つまりこの試打には、100のほうが飛ぶと感じやすいバイアスが最初からありました。以下の結果は、そのバイアスがあったうえでのものです。

打ち比べて分かったこと

BEAST 98は、低い弾道で球が前に伸びる

98でいちばん印象に残ったのは、ボールのスピードと伸びです。球が高く弾むのではなく、低い弾道で前へ伸びていきます。同じガットを張った100と比べても、98のほうが球の勢いを感じました。

打球感は、前作のBEASTにあった、ボールをつかむようなぼんやりした感触が薄れ、すっきりした感触になっています。

球が持ち上がりにくくなった分、力が入ったときにボールが抜ける感覚もありました。使い始めはネットミスやアウトが出ましたが、しばらく打つと飛び方をつかめました。慣れてからは、リラックスしたスイングでもボールスピードが出て、コンパクトに合わせるだけでボールを押し出せました。

BEAST 100は、ボールが引っかかる

100は、ボールを引っかける感覚が強いラケットです。球の勢いや伸びは、98のほうが上でした。98と比べて、安心して打てる感覚があります。

98と100の違いをまとめると

項目BEAST 98(305g)BEAST 100(300g)
球の伸び強く感じた98より控えめ
弾道低く直線的引っかかりが強く、持ち上がる
打ったときの感覚前に押し出すボールを引っかける
注意点力が入ると球が抜ける球の勢いは98に劣った

これは同じ試打者が同じガットで打った印象であり、機器による計測ではありません。ガットの種類やテンションが変われば、感じ方も変わります。

フレーム形状を変えた理由の推測

ZYLONの反発とフレームのしなりを活かしながら、フレーム形状を変えて、飛びすぎない設計にしたのではないかと考えています。

試打では98の勢いが上、スコアのパワーは100が上

当サイトの5軸スコアは、重量・フェイスサイズ・ビーム幅・ストリングパターンなどの仕様から、全モデル共通の基準で機械的に算出した指標です。モデルごとの手心は加えていません。相対的な位置を示すもので、絶対的な性能値ではありません。BEASTはRAがメーカー非公表で、第三者の出典も見つかっていないため、この記事ではRAを扱っていません。

試打した2本について、スコアと試打の印象を並べます。

評価軸BEAST 98(305g)BEAST 100(300g)試打の印象一致したか
パワー707598のほうが球の勢い・伸びがあった不一致(スコアは100が5点高い)
スピン6669100のほうが球が引っかかる一致

スピンは、試打でもスコアでも100が上でした。パワーは向きが逆です。スコア上は、フェイスが2in²大きく、センターのビームが厚い100のほうが上に出ています。試打では、98のほうが球に勢いがありました。

食い違いの理由として考えられること

食い違いの原因を試打だけで確定することはできません。スペックから言えることは次の3つです。

  • スウィングウエイトは同じ。 98(305g)も100(300g)も288です。振ったときの重さの感覚は近く、ラケットを振り切る力に差がつく理由は、この数値からは見えません。重量が5g重い98は、バランスが315mmと100より5mm手元寄りです。
  • ビーム幅が違う。 98はセンター24mm、100は26mmです。試打者は、この差が弾道の差につながっていると推測しています。厚い100のほうが球が持ち上がりやすく、薄い98のほうが低く伸びる、という見方です。
  • スコアは弾道を採点していない。 5軸スコアは仕様から出した相対値で、低い弾道で球が伸びる感覚のような、試打で感じる要素を直接は反映していません。

普段のラケットに対して飛ぶ方向のバイアスがあった100より、98の勢いが上だった。

なお、98を「コントロール重視の設計」とは書いていません。公式の説明は「スピードボールとスピンを両立」です。表のコントロール65は当サイトの算出結果で、メーカーの設計意図ではありません。

BEAST 2026全9モデルの5軸スコア一覧

BEAST 2026の9モデルを、同じ基準で採点したスコアです。

モデルフェイス重量バランスビーム幅パワースピンコントロール操作性打球感価格(税込)
BEAST 98(305g)98in²305g315mm24-24-22706665586541,800円
BEAST 98(285g)98in²285g325mm24-24-22706662676241,800円
BEAST 100(300g)100in²300g320mm24-26-23756961585941,800円
BEAST 100(280g)100in²280g330mm24-26-23756958685741,800円
BEAST O3 100(300g)100in²300g320mm24-26-23707361595941,800円
BEAST O3 100(280g)100in²280g330mm24-26-23707358695741,800円
BEAST O3 104 DB(275g)104in²275g335mm24.5-25.5-23737156725641,800円
BEAST Team 100(285g)※100in²285g325mm24-26-23757059675726,400円
BEAST Team 100L(270g)※100in²270g330mm24-26-23717157795526,400円

※ Team 100 と Team 100L は、公式の発売時期が2026年12月上旬です。この記事の公開時点では発売前のモデルで、スペックと価格は公式が公開している値です。O3 104 DB の発売時期は2026年10月上旬、それ以外の6モデルは2026年9月上旬です。

軸ごとの上位と下位は、この9本のなかでは次のとおりです。

  • パワー: 最高は75で、100(300g)・100(280g)・Team 100の3本が並ぶ。最低は70で、98の2本とO3 100の2本
  • スピン: 最高は73のO3 100の2本。最低は66の98の2本
  • コントロール: 最高は98(305g)の65。最低はO3 104 DBの56
  • 操作性: 最高はTeam 100Lの79。最低は58で、98(305g)と100(300g)が並ぶ
  • 打球感: 最高は98(305g)の65。最低はTeam 100Lの55

98の2本は、スピンが9本のなかで最も低く、パワーは最低の70に並び、コントロールと打球感は高い側にいます。ただし、先に書いたとおりパワーは試打の印象と逆向きなので、この表を「98は飛ばないラケット」と解釈しないでください。

同じ100インチの100と O3 100 を比べると、パワーは100が5点高く、スピンはO3 100が4点高くなっています。この2系統の違いは、試打していないため打球感を書いていません。

BEAST 98とBEAST 100はどちらを選ぶ?

試打の印象をもとにした選び方です。

BEAST 98が合いそうな人

  • 低い弾道で、相手コートの奥まで押し込みたい人
  • フラット系のドライブを武器にしたい人
  • 球が持ち上がりにくいことに、慣れるまでの時間をかけられる人

BEAST 100が合いそうな人

  • ボールを引っかける感覚があるほうが安心できる人
  • 98より、球がコートに収まりやすい感覚がほしい人

98を試打して強く感じたのは、慣れるまでは球の飛び方に戸惑うことです。最初の1ゲームはネットミスやアウトが出ました。購入前にショップの試打ラケットなどで確かめる場合は、1〜2球ではなく、ある程度の時間打ってから判断するほうがよさそうです。

重さは、98に305gと285g、100に300gと280gがあります。今回打っていないのは285gと280gです。バランスは軽いモデルほどヘッド寄り(285gは325mm、280gは330mm)になるので、同じシリーズでも振った感覚は変わるはずです。

他のパワー系ラケットとの比較は、試打者の印象

試打者は、BEASTを他のパワー系ラケットと比べて次のように感じました。同条件で打ち比べた計測ではなく、印象の域を出ません。

比較したモデルBEASTと比べた印象
ヨネックス EZONEEZONEのほうがマイルドな打球感。ボールスピードはBEASTが上
ダンロップ FXFXのほうが回転量を出しやすい。BEASTは弾道が直線的
ウイルソン ULTRAどちらもパワー系。BEASTのほうが柔らかい打球感

EZONEについては、VCORE 100とEZONE 100の比較記事で、EZONE 100を打った感想を書いています。

BEAST 98・100のよくある質問

BEAST 98の305gと285gの違いは?

重量が20g、バランスが10mm違います(305gが315mm、285gが325mm)。スウィングウエイトは、公式のスペック欄で305gが288、285gが285です。5軸スコアでは、操作性が285gで67、305gで58と9点の差があります。今回は285gを打っていないため、打球感の違いは書いていません。

BEAST 98は初心者向けですか?

試打した感覚では、慣れるまでに球の飛び方を掴む時間が必要なラケットでした。当サイトの分類でも、98(305g)は上級者向けとしています。

BEAST 98の公式のガットの組み合わせは?

公式のスペック欄がベストマッチストリングスとして挙げているのは、98(305g)がPHANTOM SPIN、98(285g)がTOUR XX SPIN、100(300g)がBEAST XT、100(280g)がBEAST SPです。今回の試打は、98・100ともBEAST XTで行っています。

Team 100とTeam 100Lは買えますか?

2026年12月上旬の発売予定で、この記事の公開時点では発売前です。通販ページが見つからない場合は、発売後にあらためて探してください。

まとめ|球の勢いは98、安心して打てるのは100

BEAST 98(305g)とBEAST 100(300g)を同じBEAST XTで打ち比べたところ、低く伸びる球の勢いは98、ボールを引っかける安心感は100でした。当サイトのスコアでは、スピンは100が上で試打と一致しましたが、パワーは100が5点上で、試打の印象とは逆向きです。スウィングウエイトが288で同じなこと、ビーム幅が98のセンター24mmに対して100が26mmであることは、弾道の差を考える材料になります。ただし、原因の確定はできません。

具体的な候補を絞るときは、ラケット診断やパワー系ランキングも参考にしてください。9モデルすべてのスペックと価格は、各ラケットのページで確認できます。