用具解説

HEAD エクストリーム 2026 の違い|MP・MP XL・Pro を打ち比べ、全6モデルを比較

HEAD エクストリーム 2026 は、スピン系に位置付けされているラケットです。その中でもフラット系のプレーヤーなら MP XL か Pro、スピン量の多いプレーヤーなら MP・MP XL が向いているでしょう。前作からの変更の柱はシャフトへの Hy-Bor(ハイボー)の採用で、その良さがいちばん出たのは MP XL です。この記事では、MP・MP XL・Pro を実際に打ち比べた結果と、全6モデルのスペックをまとめます。

結論|エクストリーム 2026 のモデルの選び方

あなたのタイプ選ぶモデル理由
フラット目に当てるMP XL か ProMP より弾道が低く、ボールが跳ねすぎない。球足は MP XL が長く、Pro がわずかに短い
スピン量が多いMP・MP XL のどれでも回転量で弾道を抑えられるため、3本とも扱いやすい
軽さを重視するMP L・MP UL280g と 260g(張り上げ前の公式値)
大きいフェイスで楽に打ちたいTeam105in²。シリーズで唯一の大型フェイス

MP を選ぶくらいなら、同じ300gの MP XL を選ぶ方が良いというのが試打の結論です。Pro はスペックが高く、使う人を選びます。

エクストリーム 2026 全6モデルのスペックと5軸スコア

スペック比較

下の表は HEAD 日本語公式サイトの製品ページ(2026年10月19日確認)に載っている値です。重量とバランスは張り上げ前の値です。

モデル重量バランスフェイスビーム(先端/中央/付け根)パターン長さ
Pro305g315mm(1in HL)98in²22/23/2116×1927in
MP300g320mm(1in HL)100in²23/26/2116×1927in
MP XL300g320mm(1.2in HL)100in²23/26/2116×1927.5in
MP L280g325mm(0.7in HL)100in²23/26/2116×1927in
MP UL260g340mm(イーブン)100in²23/26/2116×1927in
Team265g340mm(イーブン)105in²23/26/2216×1927in

全モデルが16×19のオープンパターンです。MP・MP XL・MP L・MP UL は、重量・長さ・バランス以外のスペックが共通です。

5軸スコア比較

下の表は、当サイトが全モデル共通の基準で付けた5軸スコアです。重量・フェイスサイズ・ビーム厚・ストリングパターンなどから機械的に算出した相対的な指標で、絶対的な性能値ではありません。RAはHEADが公表しておらず、Tennis Warehouse の計測値を出典にしています。

モデルパワースピンコントロール操作性打球感RA
Pro586468557164
MP666863566367
MP XL656864566563
MP L657161696264
MP UL676658805965
Team707056775865

この6本の中では、パワーは Team(70)が最高で Pro(58)が最低です。スピンは MP L(71)が最高で Pro(64)が最低、コントロールと打球感は Pro(68・71)が最高です。操作性は MP UL(80)が最高で Pro(55)が最低です。

2024年モデルから何が変わった?

シャフトに Hy-Bor を採用、型・スペックは据え置き

変更の柱はシャフトへの Hy-Bor の採用です。HEAD 公式のストーリー記事(2026年7月13日)によると、ボロン繊維をグラファイトの積層に織り込む素材です。Auxetic構造・スピングロメット・スピンシャフトは前作から続いています。

MP・Pro・Team は、ビーム・重量・バランスが2024年モデルと同じ数値です。新しいスペックは MP XL と MP UL の2本です。

蛍光グリーンの光沢塗装と半透明グロメット

カラーは公式表記で「ネオングリーン」です。光沢塗装の蛍光グリーンで、HEAD は蛍光色がきれいで、中性的で男女問わず使えるデザインだと感じました。半透明のグロメットもデザイン上の好ポイントです。

エクストリームは何系?ラウンドとボックスの中間形状のフレーム

エクストリームは HEAD の中では反発系・スピン系に位置づけられるシリーズです。打った印象では、完全なラウンド形状のパワー系とは違い、ボックス形状の要素が若干入っています。飛び抜けたパワー系ではありません。当サイトの分類ではフレーム形状はラウンドですが、打った印象と断面の感じは、ラウンドとボックスのいいとこ取りを狙うT-FIGHTに近いものでした。

ビーム幅(先端/中央/付け根)を、当サイト掲載値で並べます。

モデルビーム重量フェイス
Extreme MP 202623/26/21300g100in²
Babolat Pure Drive(2024年モデル)23/26/23300g100in²
Tecnifibre T-FIGHT 300(2025年モデル)23/23.5/23300g100in²

Extreme MP は Pure Drive と先端・中央が同じで、付け根が2mm細くなっています。T-FIGHT 300 は全体が均一に近い太さです。ビーム幅の数値だけで、断面のボックス要素までは測れません。

MP・MP XL・Pro を打ち比べた

MP

久しぶりに打って、スピンがよくかかる「パワー系スピンラケット」だと再認識しました。前作(Auxetic 2.0)も打ちやすいラケットでした。今作は Hy-Bor を足して、面の安定と飛びの両立を狙ったのだと思います。ただ MP は前作から大きくは変わらず、そこそこ使いやすい、というのが正直なところです。悪くはありませんが、Hy-Bor で劇的に変わった感じはありません。

反発の強いラケットに載せると Hy-Bor の良さが薄れる、という印象でした。逆に、飛びを抑えたラケットの方が、面の安定やボールのパンチ力といった Hy-Bor の良さが出やすいと感じました。使いにくいわけではなく、普通に扱えます。

MP XL

3本の中で一番良かったのが MP XL です。Hy-Bor の良さが引き立ちました。

0.5インチ長いぶん球威は出ますが、本来は面がぶれやすくなります。MP XL は Hy-Bor が面を安定させ、スイングの力をボールに伝えてくれる感覚で、ボールがしっかり前に伸びます。威力のあるボールを受けても面ぶれしませんでした。長尺特有の腕への負担も、あまり感じませんでした。

パワー系スピンラケットは個人的に好みではありません。それでもエクストリームを使うなら、MP XL がシリーズの中で一番良いと思います。

Pro

バランスの良いラケットです。Hy-Bor は飛びが控えめなラケットとの相性が良いと感じました。ただエクストリームはボックス形状の要素が混じるため、パワー系の中ではしなやかな打球感で、面もそれほどぶれません。そのため Pro では Hy-Bor の特性を引き出しにくい、というのが本音です。

ボレーは反発系にしては非常にやりやすいラケットでした。ボールへの食いつきが良く、スライス系の当たりが良いです。普段は合わせるだけのボレーですが、ボールの下をくぐらせるボレーになっていました。引っかかりが良く、ボールが上に浮かないので、思い切ってボレーできます。

試合で使って分かった違い

MP XL: 球の伸びが非常に大きいです。回転量で伸びを抑えられれば、かなり良いボールになります。私はフラット目に当てるのでアウトが多くなりました。スライスも打ちやすく深く入りますが、コントロールしきれない場面もありました。軽く振ってもボールが飛び、それでも意外と落ちてくれます。アウトと思って動きが止まった場面もありました。使いこなせば威力も回転も出るラケットです。

Pro: MP XL より球足がわずかに短く、それが安心感につながります。試合で安定して力を出せるのは、MP XL より Pro でした。

MP: Pro・MP XL に比べて弾道が上がりやすいラケットです。高い弾道を好む人には良いですが、フラット目に当てると、ボールが跳ねすぎて攻撃につながらない場面がありました。

MP XL と MP の違いは長さだけ?

スペック上は、MP XL は長さが0.5インチ長く、バランスが1.2in HL(MP は1in HL)の違いだけで、重量・フェイス・ビーム・パターンは同じです。

5軸スコアは MP XL がパワー65・スピン68・コントロール64・操作性56・打球感65、MP が66・68・63・56・63で、ほぼ並びます。ただしスコアにフレームの長さは反映されていません。長さの違いはスコアでは見えず、試打では「長さの違いだけ」には収まりませんでした。MP XL は Hy-Bor が面を安定させ、ボールが前に伸びました。MP は弾道が上がりやすく、フラット目だと跳ねすぎる場面があったのに対し、MP XL は3本の中で一番良いと感じました。

MP L・MP UL・Team は誰向け?

モデル重量・フェイス向いている人(詳細ページより)
MP L280g・100in²MPの性能はそのままに、もう少し軽いラケットが欲しい人。スイングスピードを上げてスピンをかけたい中級者
MP UL260g・100in²大人用ラケットに移行したばかりの初心者。軽さを最優先しつつスピンを覚えたい早期中級者
Team265g・105in²テニスを始めたばかりでスピンを覚えたい人。オーバーサイズフェイスで安心感を得たい初中級者

スコアでは、MP L はスピン71で6本の最高、操作性は69です。MP UL は操作性80で最高、Team はパワー70で最高、操作性77です。Team と MP UL はコントロールが56・58と低めで、打ち分けより軽さと楽さを優先するモデルです。

エクストリーム 2026 のよくある質問

2024年モデルから買い替える価値は?

MP・Pro・Team はビーム・重量・バランスが2024年モデルと同じ数値で、主な変更はシャフトの Hy-Bor です。試打では、MP は前作と大きくは変わらず、Hy-Bor の効果が最もはっきり出たのは MP XL でした。前作の MP を使っていて不満がなければ、買い替える必要性は高くありません。MP XL に興味があるなら、試す価値があります。

バランスは320mmと330mmどちらが正しい?

どちらも正しく、測っている状態が違います。HEAD 公式の320mm(MP)は張り上げ前の値です。当サイトのラケット詳細ページに載せている330mmは、Tennis Warehouse が張り上げ後に計測した値(MP の商品ページでは318g・32.99cm・SW318・RA67)です。HEAD は張り上げ後のバランスを公表していません。RAもHEADは非公表で、詳細ページの値は Tennis Warehouse の計測値です。

MP XL は初中級者でも使える?

当サイトのラケット詳細ページでは、サーブのパワー・スピンを伸ばしたい上級者や、延長フレームのレバレッジを活かしたいハードヒッターが「向いている人」です。「初中級者でパワー不足を感じている人」は向かない側に入っています。試打では、軽く振ってもボールが飛ぶ一方で、フラット目に当てる私はアウトが多くなりました。回転量でボールを抑えられる人の方が使いやすいと思います。

エクストリームを使っているプロ選手は?

2026年10月19日時点で、HEAD 日本語公式サイトの製品ページの「推奨」欄には、M. Berrettini、A. Davidovich Fokina、J. Struff、B. Krejcikova の名前があります。同ページには、契約プロは表示モデルと異なるラケットを使用している場合がある、という注記もあります。選手が市販品と同じラケットを使っているとは限りません。

発売日と価格は?

国内の発売日は2026年7月24日です(販売店の表記で、HEAD 公式では確認できていません)。定価は MP と MP XL が39,600円、Pro が41,800円です(税込、販売店表記)。実売価格は各ラケットの詳細ページに載せている価格で確認してください。

まとめ|フラット系は MP XL か Pro、スピン量が多ければ3本どれでも

エクストリーム 2026 は、前作と同じ型とされるフレーム(Tennisnerd の記載)にシャフトの Hy-Bor を足したシリーズです。MP・MP XL・Pro を打ち比べると、Hy-Bor の良さが最もよく出たのは MP XL でした。フラット系は MP XL か Pro で、MP を選ぶくらいなら MP XL を選ぶ方が良いと思います。スピン量が多い人は3本どれでも使いやすく、Pro はスペックが高く使う人を選びます。軽さを重視するなら MP L・MP UL、大きいフェイスなら Team が候補です。

HEAD 全体の選び方はHEADのラインアップ記事、同じ「ラウンドとボックスの中間」を狙う他社モデルはT-FIGHTの記事で比べています。最新の仕様はHEAD 日本語公式サイトで確認できます。