Wilson Blade V10 の違い|全11モデルを比較
Wilson Blade V10 の最大の特徴は、従来のBladeらしい柔らかさやしなりを感じさせつつ、ボールの飛び出しやパワーアシストが強くなったことです。 一方で、前作の控えめな飛びと優れたコントロール性を好むプレーヤーにとっては、扱いにくさを感じる可能性があります。
Blade V10 大人向け11モデルの5軸スコア一覧
下の表は、当サイトが全モデル共通の基準で付けた5軸スコアを、Blade V10 の11モデルで並べたものです。
| モデル | フェイス | 重量 | パターン | RA | パワー | スピン | コントロール | 操作性 | 打球感 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Blade 98 16x19 V10 | 98in² | 305g | 16×19 | 61 | 50 | 56 | 78 | 54 | 81 |
| Blade 98 18x20 V10 | 98in² | 305g | 18×20 | 61 | 45 | 39 | 86 | 54 | 81 |
| Blade 98 Pro 16x19 V10 | 98in² | 305g | 16×19 | 61 | 53 | 56 | 76 | 52 | 78 |
| Blade 98 Pro 18x20 V10 | 98in² | 305g | 18×20 | 60 | 47 | 40 | 85 | 52 | 78 |
| Blade 98S V10 | 98in² | 295g | 18×16 | 61※1 | 52 | 61 | 74 | 59 | 80 |
| Blade 100 V10 | 100in² | 300g | 16×19 | 61 | 54 | 60 | 75 | 56 | 77 |
| Blade 100 Pro V10 | 100in² | 295g | 16×20 | 68 | 60 | 58 | 73 | 60 | 69 |
| Blade 100L V10 | 100in² | 285g | 16×19 | 67 | 57 | 59 | 72 | 63 | 73 |
| Blade 100UL V10 | 100in² | 265g | 16×19 | 65 | 58 | 64 | 63 | 84 | 69 |
| Blade 101 Team V10 | 101in² | 275g | 16×19 | 58※2 | 58 | 64 | 69 | 69 | 70 |
| Blade 104 V10 | 104in² | 290g | 16×19 | 64 | 57 | 64 | 71 | 62 | 74 |
※1 RAはメーカー非公表で、Tennis Warehouse等の第三者計測を出典にしています。Blade 98S は自身のページにRAの記載がないため、同じフレームの Blade 98 の値を流用しています。
※2 Blade 101 Team の58は出典を特定できていない参考値です。※1・※2のRAは、この記事の順位や比較の根拠には使っていません。
スコアは重量・フェイスサイズ・ビーム厚・ストリングパターンなどから、全モデル共通の基準で機械的に算出した相対的な指標です。絶対的な性能値ではありません。また、フレームの長さ(104 の27.5in など)は採点に使っていないため、長尺であることの優劣はこの表から読み取れません。
軸ごとの上位と下位は、この11本の中では次のとおりです。
- パワー: 最高は100 Proの60、最低は98 18x20の45
- スピン: 最高は100UL・101 Team・104の64で並ぶ。最低は98 18x20(39)と98 Pro 18x20(40)
- コントロール: 最高は98 18x20の86、次いで98 Pro 18x20の85。最低は100ULの63
- 操作性: 最高は100ULの84、次いで101 Teamの69
- 打球感: 最高は98 16x19と98 18x20の81。最低は100 Proと100ULの69
Bladeは本当に「しなり系」?RAと打球感で見るシリーズ内の差
Bladeは「しなって柔らかい」ラケットと説明されることが多いシリーズです。この説明が11モデルすべてに当てはまるかを、RA(フレーム硬さの実測値)と打球感スコアの両方で確かめました。打球感スコアはRAを使わずに算出しているため、2つは独立した指標です。
98インチ系・100・104はしなり系と呼べる
98 16x19、98 18x20、98 Pro 16x19、98 Pro 18x20、98S、100、104の7本は、打球感スコアが74〜81に収まります。RAは98Sを除く6本が60〜64です。98Sは打球感スコア80で判定し、RAは流用値のため根拠にしていません。同じウィルソンのClash V3(RA54〜58)ほど柔らかくはないものの、Pro Staff Classic(RA66〜68)よりは柔らかい帯です。
100L・100UL・100 Proは硬め寄りで、別の性格に近い
100L(RA67・打球感73)、100UL(RA65・打球感69)、100 Pro(RA68・打球感69)の3本は、RAが65〜68です。この数値はPro Staff Classic(RA66〜68)やShift V1(RA67〜68)と同じ帯です。打球感スコアも同じ100インチの Blade 100(77)を下回ります。
RAも打球感スコアも、98系より柔らかさが薄れている数値です。ただしRAはTennis Warehouseの計測値1つで、個体差もあります。「しなり系ではない」と言い切るのではなく、「RA・打球感スコアとも98系より硬め寄り」と読むのが妥当です。
Blade 101 Team V10 は、RAの出典を特定できていないため、この7本・3本のどちらの判定にも入れていません(打球感スコアは70)。
出典のあるRAで見ると、Blade V10 の中でRAは60から68まで8ポイントの幅があります。名前が同じ「Blade」でも、打球感の方向性は一律ではありません。
Blade 98 は 16×19 と 18×20 のどちらを選ぶ?
Blade 98 と Blade 98 Pro は、重量・フェイスサイズ・RAがほぼ同じまま、ストリングパターンだけを選べます。
| モデル | パターン | コントロール | スピン |
|---|---|---|---|
| Blade 98 | 16×19 | 78 | 56 |
| Blade 98 | 18×20 | 86 | 39 |
| Blade 98 Pro | 16×19 | 76 | 56 |
| Blade 98 Pro | 18×20 | 85 | 40 |
| Blade 98S | 18×16 | 74 | 61 |
18×20は16×19に比べて、コントロールが8〜9ポイント上がり、スピンは16〜17ポイント下がります。98Sの18×16はスピンが61と最も高く、コントロールは74です。フラット系のショットでコースを厳密に狙うなら18×20、回転量も確保したいなら16×19か98Sが候補です。シリーズ全体の位置づけは、ウィルソンのラインアップ記事でも比べています。
V9 から V10 で何が変わった?
Tennis Warehouseの商品ページによると、ウィルソンはV10の変更点を次のように説明しています。
- 新しいテーパー形状のビームで、パワーがわずかに上がる
- StableFeel+ が横方向のしなりを抑え、オフセンターで打ったときのフレームのブレを減らす
- 重量・バランス・スイングウェイトの許容差を狭め、個体差を減らす
実際に Blade 98 と Blade 100 を打ち比べた
ここからは、当サイトが実際に Blade 98(16×19)と Blade 100 を打った結果です。前作(V9)と比べて評価しました。
打っていないモデルについては、打球感を書いていません。98 Pro・98 18x20・98S は試打していません。
前作より飛び、しなり戻りが強くなった
最大の変化は、従来のBladeらしい柔らかさとしなりを残しながら、ボールの飛び出しとパワーアシストが強くなったことです。
| 項目 | 前作(V9) | 新作(V10) |
|---|---|---|
| 打球感 | もっちりとした柔らかさ | 柔らかさに加えて、しなり戻りを感じる |
| ボールの飛び | 控えめで調整しやすい | パワーアシストが強く、よく飛ぶ |
| コントロール | ボールを潰して狙いやすい | 強く振ると飛びすぎる場合がある |
| 総合 | 自分でボールを操る感覚 | ラケットがボールを飛ばしてくれる感覚 |
見た目は、前作の落ち着いたダークグリーンから、光沢のある明るいグリーンに変わりました。
なぜ飛びやすくなったかについては、前作のスピード感を保ちつつ、Bladeらしいしなりを取り戻す方向に設計されたのではないか、という見立てです。
一撃の威力は98、扱いやすさは100
Blade 98(16×19)は、フルスイングで振り切れたときの威力が高いラケットでした。一方で、ヘッドが回りすぎたり、ボールが持ち上がりすぎたりして、アウトにつながる場面がありました。振られた切り返しでは期待したほど飛ばない場面もあり、前作よりも打球の調整が難しく感じました。前作のストレートビームからテーパー形状に変わったと感じています。シャフトが前作より薄くなったと感じたのも、98です。
Blade 100は、98より振り抜きにはやや劣るものの、しなり方が素直で、全体のまとまりが良いラケットです。新作のなかでは従来のBladeらしさを感じやすいと思いました。ビーム幅は22mm・22mm・22mmのストレートビームです。ただし、パワーアシストが強いため、100でも飛びすぎる場面はありました。
扱いやすさは Blade 100、フルスイング時の一撃の威力は Blade 98、というのが打ち分けた結論です。
18×20と98Sは「打っていない上での予想」
Blade 98(16×19)はボールが持ち上がりやすい印象でした。そこから、打っていない上での予想として、18×20ではボールが持ち上がりにくくなり、98Sの18×16ではスピン量が増えすぎる可能性があると考えています。
当サイトのスコアでは、18×20のスピンは16×19より16〜17ポイント低く、98Sは98 16x19より5ポイント高くなっています。
Blade v10が合う人、Blade v9が合う人
Blade v10が合いそうなのは、次のような人です。
- ラケットのパワーアシストを使いたい人
- 柔らかい打球感としなりを重視する人
- 自分から強く振って、ボールを潰せる人
- 前作では飛びが物足りなかった人
Blade v9のほうが合う可能性があるのは、次のような人です。
- 飛びを自分で細かく調整したい人
- ボールを潰して狙う感覚を大事にしたい人
- 強く振ってもアウトしにくいラケットが欲しい人
- 従来のBladeのもっちりした打球感が好きな人
スイングスピードが上がりきらない人には、しなり戻りによるアシストが助けになる可能性があります。
悩み別|どのBlade V10 が適しているか
精密にコースを狙いたい
コントロールスコアが最も高いのは98 18x20(86)、次いで98 Pro 18x20(85)です。スピンが39〜40と低いため、フラット系のショットが中心の人向けです。
初めてのBladeを選びたい
98系より扱いやすい入口として、Blade 100 V10(コントロール75・RA61)とBlade 104 V10(フェイス104in²)があります。試打でも、100は素直なしなりで扱いやすいラケットでした。
軽さを優先したい
操作性スコアが最も高いのはBlade 100UL V10(84・265g)です。Blade 100L V10(285g)、Blade 101 Team V10(275g)も軽量の候補です。軽量モデルほどRAと打球感スコアが98系と異なる点は、前の章のとおりです。
回転量を増やしたい
スピンスコアが高いのは100UL・101 Team・104(64)で、98系ならBlade 98S V10(61)です。
Blade V10 のよくある質問
Blade 98 と Blade 98 Pro の違いは?
同じストリングパターン同士なら、コントロール・スピンのスコアはほぼ同じです(16×19で比べると、コントロール78と76、スピンは56で同じ)。Pro はバランスが325mmと98(320mm)より高く、価格も98の38,500円に対し41,580円です。今回は98 Pro を試打していないため、打球感の違いは書いていません。
Blade 98S の「S」は重量のことですか?
重量ではなく、18×16というストリングパターンを表す記号です。98Sの重量は295gで、98系の305gより軽くなっています。
Blade 104 V10 など長尺モデルは有利ですか?
104(27.5in)や100 Pro(27.25in)は標準の27inより長いフレームです。スコアはフレームの長さを使わずに算出しているため、長さの優劣は表から読み取れません。
まとめ|Blade V10 は「しなり系」の7本と、硬め寄りの3本に分かれる
Blade V10 の大人向け11モデルは、フェイス・パターン・重量で選び分けます。98系・100・104はRA60〜64、打球感スコア74〜81でしなり系と呼べますが、100L・100UL・100 ProはRA65〜68で硬め寄りです。試打では、前作より飛びが増し、フルスイングの威力は98、扱いやすさは100でした。前作の調整しやすさが好みなら、新作は飛びすぎる場面があります。
具体的な候補を絞るときは、ラケット診断やコントロール系ランキングも参考にしてください。ブランド全体の選び方はウィルソンのラインアップ記事にまとめています。





